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ドクターマルスと365日 第4話 日本では七夕、本編では特に関係なし


 そこは薄暗いどこかの地下。
 怪しい薬品、怪しい機材が大量に置かれたどこかの研究室。
 まるで光を嫌うかのように存在する場所には……あまりに似つかわしくない物が今置かれている。
 そして、その物の前では楽しそうに準備をする一人の女がいた。
 そう……ドクターマルスこと丸栖優香だ。

「ふんふ~ん♪ やっぱり日本人としては文化を大切にしたいであるな♪」

「……七夕か、よく笹なんて手に入ったな」

 そう、地下の研究室にはあまりに似つかわしくないもの、それは夏の風物詩七夕だった。
 研究室にずんっ! と威圧感たっぷりに置かれた笹は、悪の秘密結社の研究室にはあまりに似つかわしくはない。
 しかし、とうの用意した本人は実に楽しそうだった。

「中国からこの日のために輸入したである」

「つーか、七夕はもう過ぎたぞ?」

 そう、今日は7月8日……七夕は7月7日なのだ。
 作者は不思議そうに笹を眺めていると、ドクターマルスは「チッチッチ」と人差し指を振り、用意した理由を話し始めた。

「お前、日本とアメリカ西海岸の時差はしっているあるか?」

「? 17時間差だな……」

「つまりそう! このミレリア地方ではまだ7月7日なのであーる!!」

 そうなのである、ミレリア地方はまだ7月7日、七夕なのだ。
 意外と文化を大切にするのかドクターマルスはこの日のために短冊も用意してある。
 一体何を願うつもりなのか?

(ちなみに、この国に七夕の文化はないけどな)

 ドクターマルスは七夕ということで、願掛けを行う。
 それは一体どんな願いか?
 気になった作者はというと、ついそれを覗いてみる……すると。

『早く作者が消えてくれますように、出来れば彦星程度に自重してくれますように』

「ちょ!? おま! これはひどくない!? つまり俺に一年に1回しか出てくるなというのか!?」

 当然これには作者も大激怒。
 とうのドクターマルスはというと、何を当たり前なことをという顔で。

「出来れば二度と顔もみたいくないであーるな」

「ていうか、言っとくけど太陽暦での7月7日って梅雨だよ!? 知っているムダ知識!? 7日に雨が降ると彦星と織姫の逢瀬が叶わない涙なんだよ! ちなみにこの日に降る雨のことを催涙雨っていうのはその性だね!」

「無駄知識すぎるあーるな、今年は幸い晴れたあるが(降った地域の人はご愁傷さま)」

「つまりお前は! ほとんど出てくるなと!? ひどすぎるわ!」

 無駄知識まで披露して、ダダをこねる作者にいい加減鬱陶しく思うドクターマルスは耳を塞ぎ、聞こえないと主張する。

「あれ? そういえばアリサはどこあるか?」

「聞けよ! 人の話!」




 ……さて、そんなコントのような会話が繰り広げられる地下の研究室とは打って変わり地上のアークスシティでは……?


「街……人々が生活を営む生活圏コロニー」

 アリサは街を散策していた。
 それは自分の見聞を広めるためか、顔にはまるで楽しそうには見えなかったが、彼女はこれはこれで楽しんでいるつもりだった。

 街には情報では知っていても、実際には見たことも聞いたこともないもので溢れている。
 それは見て、触って初めて分かる。
 何もかもが新しく、同時に驚きの連続。
 だが、アリサにはそれがどういった感情なのかが全く分からない。
 まだ産まれて日の経たないアリサには喜怒哀楽といった感情がわからないのだ。
 それはロボットだからなのか? そんなことはない……彼女は立派に自分の感情を表現することができる。
 でも……彼女にはそれが理解出来ないのだ。
 それはまるで……赤子のように。


「……服、身につける衣類、ころも」

 ふと、彼女の目の前にはショーガラスの先にあるマネキンの着た洋服が目に入ってきた。
 そこはショッピングモールであり、このようなショーウインドウは軒を連ねたように並んでいる。
 それなのに何故か止まってしまった服。
 それはお世辞に可愛い服というわけではない。
 だが、何故かアリサの目を留めてしまった、罪深い服。

(洋服……アリサにはこの服意外は着ることができない)

 ふと、アリサは自分格好を見た。
 帽子も服もみんなドクターマルスが……ママが用意してくれた物。
 それはもちろん大切だし、とても嬉しい物だった。
 でも、アリサにはこの服意外の物を着ることはできない。

 いや、着ること自体は可能だ。
 だが、普通の服では彼女の性能を十分に発揮することが出来ない。
 彼女にとって服は、自分を飾るためのものではない、自分のスペックをフルに活かすと共に、自分の身を護る重要な鎧なのだ。
 このような衣服では大胆な動きができないし、防御力も皆無に等しい。

 それなのに、アリサはそれから目を離せなかった。

「おっ! 君かわいいねぇ! これから俺らとお茶でもどう!?」

 気がつくと、彼女の周りに三人ほど若い男が集まっていた。
 それぞれ、カジュアルな格好であり、いわゆる今時の若者とでもいおうか?

「茶……チャの葉を飲料用に加工したもの。また、その飲料」

 それはまた見たこともなければ聞いたこともない代物。
 興味はある、だけどそれはアリサには受け付けない物。
 なぜなら彼女はロボットだから、ロボットは物など食べない。

 アリサは特に気にせずにショーウインドウに目を戻した。
 だが、その姿に若者たちは見逃さない。

「よぉ、無視してんじゃねぇよ嬢ちゃん!」

 ふと、肩を引っ張られる。
 その乱暴な行為にはアリサの防衛意思が働く。

「ちょっと、俺らにつきあうだけで――」

 ゴキッ!

 それはとても生々しくて恐ろしい音だった。
 まるで触るなと言わんがごとく、アリサは自分を引っ張る男の腕をまるで木の棒を折るかの如く簡単に折ってしまったのだ。
 アリサからすればちょっと力を入れただけのこと、なんと脆い人間か、その程度にしか感じない。

 だが、折られた男は悲鳴を上げてのたうち回った。
 その様子をみて、残り二人は突然鋭利な刃を光らせるナイフを取り出した。
 それはおおよそ現実的にはとても理性に欠いた行為であろう。
 だが、仕方が無いのかもしれない……彼らはすでに理性などないのだから。

「てめぇ! 仲間に何しやがる!」

「……消えろロボ」

「うるせぇガキィ!」

 男のひとり、太ったスキンヘッドがナイフを物思いに振った。
 それはアリサの首を狙い、アリサも避けられるにも関わらず避けようともせずに受けた。
 勝ったのは言うまでもない、アリサだ。
 なんと振り上げられたナイフはアリサの首をはねるどころか、逆に折れてしまったのだ。
「なっ!?」

 その見た目は華奢な女の子にしか見えないアリサだが、曲りなりにもドクターマルスの造った人造人間なのだ、この程度のナイフで傷つくはずもない。
 だが、男たちにはそんなことはわからない。
 そして、同時にその行為がこの後、阿鼻叫喚の地獄絵図を生み出すことになるのだ。

「警告はしたロボ、だがそれでもそちらに戦闘意思があると判断、戦術レベルを上昇」

「ば、化物!?」

 男たちには信じられないのだ、この少女がロボットだとわからない以上、これは化物以外何者にも見えない。
 アリサはこの後、男たちを見も無残な状態にするだろう。
 しかし、それは自業自得なのだ。
 このような理性の欠いた行為に走った男たちも悪い。

 だが、社会は彼らを護るだろう。
 それが警察の義務なのだから。

「こら止めんか! 喧嘩はやめなさい!」

 突然介入してくる警察、二人おり片方は面倒そうにしていたが、街で喧嘩があるとあれば放っておくこともできずに介入した形となった。

「た、助けてくれ! こ、この女普通じゃねぇ!」

 男たちは直ぐ様警察に助けを乞うた。
 だが、現場を確認していない警察にはむしろおかしいのは男達に見えた。

「話は署で聞くであります、ほらそこの少女も!」

「……敵増援出現、銃火器の所持を確認、戦術レベルをBからAにアップ」

「……は?」

 それはふとしたきっかけだった。
 警察の間抜けな言葉、そして放たれるアリサの冷酷な言葉。
 アリサの指が腰に装着された二丁のマグナム銃に掛けられた。

 ガァァァァァン!!

 銃声は盛大に響いたことだろう。
 突然銃の乱射を行うアリサに、男達も警察も阿鼻叫喚。
 その音を聞き、その様子を見た一般市民もさながらパニックを起こし、その場から一斉に去っていってしまう。

「た、大変だ! すぐに増援をよべぇぇ!」

 一瞬……そう、一瞬の出来事だ。
 一瞬で普段は人が多すぎる位のショッピングモールから人という人が消え失せたのだ。

(静かになったロボ)

 人がいなくなったことを確認したアリサは銃を元の場所に戻すと、また何事も無かったかのようにショーウインドウに目を向けた。

「……服?」

「……あ」

 ふと、真後ろに気配を感じた。
 それは以前にも感じた気配。
 そう、そこにいたのは……。

テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

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KaZuKiNaといいます。
小説書いたり、ゲームプレイしたり。
あ、熱帯魚とかも飼ってます。
色々、自由気ままにやってます。

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