スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

9つの星の元に 第2話『月』―02



ワイワイガヤガヤ!

「――随分と騒がしいわね?」

宇宙ドッグを出て、街に出ると妙に騒がしかった。
活気づくというよりは、なにやら騒々しい。
それとなく、騒ぎの中心へと向かう俺たち。

「一体なにが・・・ッ!?」

俺は騒ぎの中心を見た時、見なければ良かったと素直に思えた。

「グッ!? は、離せ離せぇっ!!」

ドカァ!!

街の中心で、一人の若い青年が二人の黒い服に身を包んだ男に拘束されていた。
青年が騒ぐと、男の一人が青年の顔面を殴る。
青年は口から血を流していた。

「な、何アレ・・・?」

婦警さんが顔を青くしてそれを見ていたのが横から少し気になったが俺は再び正面を見る。

「うるせえ! テメェには人権なんてものはねぇんだよ! E-10336597!」

「コードネーム? まさか?」

軍人さんが呟く。
俺の首筋に嫌な汗が流れた。

「くっ!? やめろ!! やめてくれ!!」

「テメェら宇宙難民なぞ、生きる価値もねぇゴミクズの癖によぉ!!」

「宇宙難民!?」
「嫌だわ……なんで、この街あんなのが……」
「早く消えてくれないかしら……」

宇宙難民という言葉を聞いて、その周りにいた野次馬の声が、非難変わる。
宇宙難民……この宇宙文明との交流さえある時代にある、人類の汚点。
住むべき母星を持たず、宇宙を漂流する難民。
その者たちは人権は愚か、名前すら与えられず、ただ銀河連邦の監視下形式番号で呼ばれる。

「くっ! 俺たちが何をした!? 宇宙難民が一体なんだというんだ!? うちゅ――!?」

ダァン!!!

「ヒッ!?」
「!!?」

乾いた銃声が鳴り響く。
婦警さんが悲鳴を上げたと同時に俺はその光景から目を背けた。

青年は頭を銃で撃ちぬかれ、絶叫した顔のまま、地面に力なく突っ伏す。
宇宙難民は人権がない、それゆえこんな街中で射殺されても文句さえ言えない。
とはいえ、何も街中で銃殺するなんて・・・。

「けっ! おい死体はどうする?」

「宇宙難民なんてゴミだ。燃えるゴミに捨てちまえ」

「はっはっは! 違いねぇ!」

「――くっ」

俺は恐怖と絶望、そして怒りにさえなまれていた。
だが、俺には感情を露には出来ない。
俺には・・・。

「大丈夫ですか、デイズさん?」

そこへサニーさんが心配そうに声をかけてきた。
俺は極力笑顔で大丈夫だと答える。

「さ、さぁ・・もう行こうぜ?」

ここは、気分が悪い。
俺は一刻も早くこの事件現場から離れたかった。

「そ、そうね・・・行きましょう」

婦警さんも気分が悪いのか、顔を青くしていた。
おおよそ常識がある人間なら、目の前で人が射殺されて正常でいられるわけがない。
だが、宇宙難民は人として扱われない・・・同じ人間なのにこうも簡単に命が消されていく。

「ん・・・? おい、ちょっと待ちなそこのお前ら!」

「? 我々か?」

突然、黒い二人組みに俺たちは呼び止められる。

「!? ッ!!!」

俺はその瞬間一目散に走り出した。


テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

オニキンメたん
くろック ALL STARS
プロフィール

KaZuKiNa

Author:KaZuKiNa
KaZuKiNaといいます。
小説書いたり、ゲームプレイしたり。
あ、熱帯魚とかも飼ってます。
色々、自由気ままにやってます。

最新記事
最新コメント
これまでのお客様数
カテゴリ
人気投票
月別アーカイブ
最新トラックバック
ブロとも一覧
FC2アフィリエイト
アフィリエイト・SEO対策
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。